SE構法

THE SAFETY ENGINEERING METHOD

先進技術が生み出した、木造建築の強度革命

SE構法は構造計算を取り入れた設計のもと、高強度集成材とオリジナルSE金物を採用することで、木造建築ながら圧倒的な強度を手にしました。高い構造強度は、体育館などの木造大型建築にも数多く採用されているほどです。この技術を取り入れたSE構法の家は、大開口部や高天井、自由な間取り、ビルトインガレージなど、多彩で自由な空間創りを可能にしています。安らぎはそのままに、強さと夢にあふれたSE構法の家こそ、新世代の伝統工法住宅なのです。

構造計算も「鉄骨造」や「RC造」、「大規模建築物」と同じ手法で実施。

構造計算は一般の木造住宅では必須とされていません。しかしSE構法では、鉄骨造やRC造、大規模建築物と同じ手法で計算しています。「人の安全は、耐震性能や酎久性能などの、安全性能によって守られるべきである」との考えに基づき、2階建てや平屋であっても例外はありません。大地震に見舞われることをあらかじめ想定・検証しているため、木造住宅では類を見ないような、耐震性に優れた広く自由な空間 づくりが可能となるのです。

地震だけではなく、
台風などの天災も想定。

日本に住み続ける限り、いつか必ず地震や台風はやってきます。SE構法では構造計算によってあらかじめ地震の揺れや風の力を想定し、それに耐えうる性能を持った住宅づくりを可能にしています。住宅は、土地の周辺環境や立地条件によって一棟 一棟異なるため、SE横法では全棟を構造計算しています。

基礎から部材強度に至るまで、
すべて構造の安全性証明のために。

構造計算を実現するには条件があり ます。それは、住宅の構造を構成するすべての部材の強度が分かっていること。接合部に強度の基準があること。そして基礎や構造部材、接合部の強度が一定の基準値を満たしていること。これによって初めて構造計算が可能になり家の安全性を数値によって証明できるのです。

構造計算チェックポイント

地盤と建物をつなぐ基礎から
構造計算することで、
家は倒れない。

建物を支える地耐力とは

SE構法は、すべての建築物を基礎まで構造設計を行っています。上部構造から基礎構造へ作用する力の分布を明確に算出することができるため、基礎もFEM解析を行うことで、上部構造に適した基礎の計画が可能です。建物の接地圧(上部構造の重量+基礎の重量)と、地盤の強さを表す地耐力とを比べた場合、地耐力が上回る必要があります。SE構法では、この地耐力の基準を満たし、基礎を含めた建物の「安全性」を計算しています。

建物重量と地耐力の目安

  建物全体重量の
目安
(基礎含む)
地耐力の
目安
一般住宅の
2階建て
14.0~17.0kN/m2 20kN/m2
一般住宅の
3階建て
21.0~25.0kN/m2 30kN/m2
多雪地域の
3階建て
25.0~29.0kN/m2 30kN/m2

地面からの反力を
受け止める耐圧版

耐圧版は、建物荷重と同じ圧力を地面から受けます。地盤から均等に力が押されるのではなく、小さなバネが複数あると仮定するため、力のかかり具合によって耐圧版にはゆがみが生じます。耐圧版が弱ければひび割れが生じることもあるため、その厚さや鉄筋の太さを適切に設計することが求められます。

地盤調査結果に基づき、地盤バネを仮定する。

水平、鉛直方向の力を
受け止める基礎梁

強い基礎を設計するためには、上部建物によって生じる力の分布に応じて適切に基礎梁を配置する必要があります。特にビルトインガレージなど、スパン(支点間距離)が大きい部分には、地面下からの圧力により反りが生じやすいため、梁の断面や主筋の本数を決定しながら慎重に設計することが求められます。

FEM解析で、最適な基礎を設計

住宅を支える基礎構造は、地耐力や地域特性などを総合的に判断して設計すべきものです。SE構法では、FEM (Finite Element Method : 有限要素法)解析により、建物に伝わる力を解析することで、地盤に応じた強固な基礎設計を可能にしています。

地震時の耐圧版 変形モデル図

地盤と建物をつなぐ基礎も、
構造計算で強度を証明

これまでの木造住宅における基礎の構造計算では、基礎梁と耐圧版それぞれにかかる建物の負荷を別々に計算していました。しかし、SE構法では、大規模物件同様の計算手法を取り入れ、基礎梁と耐圧版とを合わせて立体的に計算しています。

「柱」「梁」の
圧倒的な強さと壁のねばりが、
幾度もの地震に耐える。

接合強度の高いSボルトを
全棟採用するのはSE構法だけ

地震時において、さらなる安全性を確保するために、SE構法では業界で初めて、全棟Sボルトを採用しています。これは、従来の金物工法の欠点を克服するために開発された特殊なボルトです。表面に凹凸加工を施し、木材にねじ込むことによって、引張剛性を格段に向上させました。通常のボルトの2倍の強さを持つこのSボルトと高強度のSE金物の組み合わせにより、ラ一メン構造を実現しています。

エヌ・シー・エヌ実験による引張り荷重の平均値

Sボルト53.9kN

通常のボルト27.3kN

※1kNは、およそ100kg。

木が「やせても」 強さを発揮

木造住宅で使用する柱や梁と同様に、集成材も「木」であるため、経年変化により木が乾燥・収縮します。これを木造業界では「木がやせる」と言います。今までは、木がやせてしまうと、施工当初にきつく締め固めていたボルトやナットが緩んでしまい、剛性(強度)を維持することは大変難しく、解決しがたい問題でした。

SE構法は、高強度SE金物とラグスクリュー状のSボルトが柱と梁の接合部にしっかり食い込み、定着することにより、木の収縮に対しても剛性を確保することができます。さらに、ラ一メン構造の力を発揮する、柱幅120mm~360mmまでの平角柱を用意しています。

経年変化の緩みや引き抜き力にも
効果を発揮するSボルト

壁強度は一般在来工法の3.5枚分

一般的な在来軸組工法では、建物に加 わる横向きの力を、筋交いによって強さを補っている壁で支えています。例えば、SE構法の壁が在来軸組工法と比べ3.5倍強いとすると、同じ壁なら3.5倍地震に強く、同じ強さなら1/3.5の壁量で開放的な空間をつくることができます。

SE構法では、柱と梁の接合部の強さと耐力壁の強さのバランスを構造計算で検証しています。

せん断力に優れたJAS特類1級合板

地震などの天災は、1度だけではありません。SE構法では、何回も起こる地震(繰り返しの力)に対応できるように実験を重ねてきました。その結果、構造用合板とCN釘による耐力壁であれば、繰り返しの力にも、耐力を保つことが実証されました。耐力壁への性能において最も重要な「せん断強度」の基準が明確で性能の高い「JAS特類1級 構造用合板」(厚さ9mmの場合のみ)を標準採用しています。これにより、耐震性能を担保しています(下図参照)。

耐力壁水平加力実験

SE構法で使用する高性能な耐力壁は、実大実験により性能を確認し、各構造部材にどのように力が流れているのかを検証しています。

木材が本来持つねばり

地震や台風などで大きな力が加わったとき木材はゆがみ、釘を打った穴も広がります。しかし、SE構法は、繰り返しの力にも酎力を保つことができます。

SE構法では、地震による釘穴の変形実験を繰り返し行い、強度を確かめた結果、せん断力に優れたJAS特類1級合板を使っています。

集成材だからこそ、
構造計算を可能にする。

耐震性に優れた大空間を
可能にする平角柱

SE構法では、平角柱を使用した耐力フレームにより、強さを保ちながら、大開口や車3台分のスペース確保をも可能にするビルトインガレージなど、ラ一 メン構造による木造住宅の可能性を広げています。

断面欠損が少なく、
地震に強い接合部

一般的な木造住宅は、接合部に柱や梁をホゾ継ぎするため、断面欠損をまねき構造材本来の強度を低下させてしまいます。SE構法は、大きな揺れに対して接合部が破壊されない技術を追求。独自開発のSE金物を使用した断面欠損の少ない構造によって柱と梁とを接合し、優れた耐震性能を実現しています。

集成材の強度は、
無垢材の約1.6倍

無垢材は自然素材であるが故に、強度にばらつきがあり、構造計算を行うには不向きな素材です。そこでSE構法では、一定の強度が保たれた集成材を使用しています。

集成材の強度実験

シックハウスも気にならない、
業界最高水準の集成材を使用

近年問題視されているシックハウス症候群に対応するため、ホルムアルデヒドの放散量がほとんどない、JASで認められた「F☆☆☆☆」等級の安全な集成材を使用しています。

ホルムアルデヒド放散量テータ

確かな品質を証明する森林認証

世界最大の森林認証統括組織であるPEFCのCoC認証を取得。これにより、持続可能な方法で管理されている森林から採取した木材の供給・管理システムを有することを証明しています。

燃えしろ設計により、
木の質感を都心でも味わえます

規制により厳しい制限がある柱や梁を室内で見せる「あらわし」も、SE構法なら可能。市街地にある準防火地域の建物や大型建築物などでも、木の質感による安らぎを味わえます。

また、万一の火災事故では、炎の危険性と共に家屋倒壊の危険性を考慮する必要があります。SE構法の集成材は45分間燃焼し続けても、表面部分は燃えますが、火災時の安全性は確保することができます。

集成材の柱、
梁は一本一本検査。

柱や梁に使われる集成材は、それを構成するひき板1枚1枚、柱梁1本1本の強度が検査されています。水分景は含水率15%以下、MSR(マシーンストレスレイテッド)による強度試験をクリアしたものを使用しています。

100年後も同じ強さを
持つ金物を全棟採用

SE金物は、カチオン電着塗装されています。約600時間かけた塩水噴霧試験においても、ほとんど試験前の状態と同じ品質レベルを保ちました。この試験時間は、標準地域で168年、塩害地域なら100.8年分の負荷をかけた状態に相当し、強度が永続的に保つことを示しています。

カチオン電着塗装(リン酸亜鉛処理)20μm